涙で育った赤い花
私の座席のすぐ後ろには、大好きな人が座っている。


――フッ。

笑っちゃうよね。


こんな近くにいるのに…どうしてこんなにも遠くに感じるんだろう―――

あと一歩。
あと一歩なのになかなか踏み出せない。


きっと怖いから。
振られるのが怖いから。

私は今まで一度も男の子と付き合ったことがなかった。


いつも私は告白する。

でもそのたびに振られ続けてきた。


もうあんな悲しくて、苦しい思いはしたくないんだ―――
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