涙で育った赤い花
「バイバーイ!!」


私はそれに元気に答えてバスを降りる。


バスの窓からみんなが手を振って、バスが動き出した時だった―――



勢いよく窓を開けた、隆斗の姿が目に飛び込んできて……


そして私に向かって何かを叫んだんだ。


……でも、その声は道路を走っていた車の音にかき消されてしまった――

隆斗はあの時、なにを叫んだの?


なんて叫んだのかは分からない。
……でもね?
なんとなくだけど…私が望んでいるようなことは、叫んでなかった………
そんな気がするの……。
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