涙で育った赤い花
……そうだよ。
隆斗にとって私なんかどうでもいい存在なんだ。


やっぱりあの時帰りのバスの中で雄一が言った言葉は、隆斗には届いてなかったんだね――…



――キーンコーンカーンコーン…


本日最後のチャイムが鳴り、みんなが鞄を持って動きだす。



――その時だった…


隆斗がこっちに近づいてくる。



“普通にしてればいいんだよ!”
由嬉の言葉を思い出して、平然を装う。
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