涙で育った赤い花
それに気づいた隆斗は立ち止まってこっちを振り向く。



「はい!これ。ちゃんと読んでね!」



いつも以上に丁寧に折った手紙を隆斗に握らせて、早足でその場から立ち去る。



心臓が暴れて、うまく呼吸ができない。



……渡せた。渡せたんだ。


もういいや…
結果がどうであれ、あたしの気持ちを伝えることが出来たんだから――…
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