涙で育った赤い花
そして次の日―――



「波琉ちゃん!」


私に話しかけてきたのは、同じクラスの大谷鉄也(オオタニテツヤ)くん
           
テニスラケットを肩に掛け、息を切らして立っている。                              
「――?鉄也くん。どうしたの?」



「はい、これ…。隆斗から。」



鉄也くんが差し出したもの。

それは、この前と同じように小さく折られた紙。


やっぱり…昨日のあれはあたしに手紙を書いてたんだ。
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