白い日(短)
「あれ…?でも、アメの意味って、何?」
「なんでクッキーの意味がわかって、アメの意味知らないわけ?」
「だ、だって…ママがアメの意味教えてくれなかった」
「ママ…?」
あらら?
更に不機嫌になっちゃった。
「良月くんからのお返し、開ける時にママが隣にいて…」
「うん…もう、そこはどうでもいいや。でも俺、意味は調べろって言ったよね?」
「…はい」
「何で調べないわけ?」
「うぅ…だってママが早く電話しろって言うから…」
「…はいはい。もうわかった。だから泣くな、めんどくさい」
「うぅ…ご、ごめんなさい」
良月くんは泣きそうな良茅の頭をポンポンと撫でてくれる。
いつもは冷たい彼だけど、本当は優しいことを良茅は知ってる。
「良茅…あ…あた、あたし…アメ玉の意味、調べるね‼︎」
「それはいい。俺が教えてあげる。調べるとか言って、調べないまま友達とか、わけわかんねぇこと言われそうだし」
「えぇ?ちゃんと調べるよ‼︎」
「それより、お前、自分のこと名前呼びしたらいいじゃん」
「………え?」
「さっきから自分のこと言うとき、あたしって言うのに詰まりすぎ」
「あ、ご、ごめん。次から気をつける」
「別に。無理せず良茅って言えばいいじゃん」
気づいてたんだ…
なかなか長年の癖は取れなくて、高校生の今も自分のこと名前呼び。
それが最近コンプレックスだったりして、治そうと奮闘中。
友達からも、小さい子みたいだよ、と言われたから…
でも、良月くんは気にしないのかな?
「そっちの方があってる。てかそんなことで俺は嫌いにならない」
「………え?」
「アメ玉の意味、教えてやるよ」