個人的事情につき“50センチ以内”禁止

「こんなの、公私混同です…」





定時までは課長として仕事をこなし。

残業時間に入ると。

面談だと託つけて、ミーティングルームに彼女を押し込んだ。





「仕事終わってから会おうって言ったのを無視したのは誰だ」

「……………」





何も言えるわけないよな?

無視したのはそっちなんだから。

気付かなかったなら仕方ない。

でも彼女は確認した後。

フルフルと首を振ったのだ。

まるで。

話すことなどない、というように。





「…不機嫌の理由はなんだ」

「…………」

「…黙ってちゃわからねぇよ」





会議用のテーブルを挟んで、向かい合わせに座っているけれど。

彼女は顔を上げない。





自分に非があるらしいのは彼女を見ていてわかる。

だけど、心当たりが全くないのも事実だ。




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