指先に願いを
『ビビ:今日は好きな人とどうだった?』
『トモ:今日も頭ポンってされた』
『ビビ:よかったねぇ、うらやましいな〜』
ビビさんはいつも通り、画面上からでも分かるように楽しげに会話をする。そんな彼女にも私はいつものテンションのままキーボードをカタカタと打つ。
『トモ:うらやましくなんてない。微妙』
『ビビ:どうして?』
『トモ:気安く触られたくない』
『ビビ:えー?トモさんって難しい子だねぇ』
「……」
難しい?…ううん、何も難しくなんてない。
彼はいつも何も考えず、気安く触れてみせる。こっちの気持ちも知らず、簡単に。
その手が愛しくて嫌いなだけ。ただ、それだけ。