嘘と元カレとネックレス
「あぁ、俺の家。昨日、間違えて俺んとこ入ったろ?」
「え……あ……」
「まあ、覚えてないか」
「すいません。全然、記憶なくて……」
記憶、超残ってますけどね。
むしろ、わざとこの家に入ってますし。
「ここのアパートの人?」
「あっはい。最近、こちらのアパートに引っ越してきた葉山美緒と申します。
ご迷惑かけたうえに、こんな形でご挨拶だなんて本当に申し訳ないです」
「いいよ。いいよ。間違いは誰にもあるし」