嘘と元カレとネックレス
「俺さ、あん時、酔ってる美緒ちゃんがすげぇ可愛くてさ。
頬、真っ赤にして甘えてくるしさ。
お酒の勢いも増して、つい、襲っちまった……」
「本当に悪いと思ってる。
美緒ちゃんが会いたくないのも、当然だと思う」
「俺、自分の気持ちばっか先走ってて、美緒ちゃんの気持ちなんも考えてあげられなかった」
「もう、会いたくないって言うならそれでもいい」
「ただ、これだけは覚えといて……美緒ちゃんのこと本気で好きだから」
まっすぐ据える瞳に心を奪われた。
斗真はそれだけ言うと、立ち去ろうとした。
それを腕を掴んで止める。