嘘と元カレとネックレス
約束の当日―――。
待ち合わせ場所であるカフェに入る。
見渡すと、窓際でカップを手にしている斗真を見つけた。
ゆっくりと近寄ってく。
緊張が高まる。
「詩織。なんか、雰囲気変わったな」
「う、うん」
とりあえずはセーフか?
「で、なんなのよ」
「俺さ、彼女に逃げられたみたいなんだよね」
知ってますとも。
目の前にいるんですから。
「すげぇー好きだったからさ、もう、精神ボロボロでさ。欲求不満でさ。
で、一回だけ詩織こと抱いていい?」
「嫌だ」
「そうだよな。じゃあ、プールにでも……?海にでも……?」
「それもイヤ」