嘘と元カレとネックレス
足音が遠ざかるとカチャリと音を立てた。
薄っすら、瞳を開けて確認する。
彼はこの部屋にはいない。
窮地から助かったことに安堵する。
そして、すぐさまポケットに忍ばせたスマホを取り出し、先ほどの先輩にメールを送る。
安否と現状と指示の煽りを端的に。
電話はいつ彼が戻ってくるか分からないから、メールのチョイス。
もちろん、返ってくるのも遅いのだろうけど。
私は、ゴロンと寝返りを打った。
とりあえず、私は何も動けない。
出来ることと言えば、休むこと。
でも、まだ何が起こるか分からないから、神経だけ集中させて身体を休ませよう。
そう。
そして、彼が寝た頃にまた活動を再開する。
それまで、力を蓄えるのだ。