ヒナギク


ていうか、高校入るためになんで試験なんて受けなきゃならないわけ?


意味わかんない。そんなもんやらなくたって、別に何も変わらないと思うけどなぁ。



「ここはね、この方程式使って因数分解してけばaが出るでしょ?」


「あっ、わかった!サンキュー愛咲」



そう言って極上スマイルを向けてくれる玲衣。


マジ鼻血級ッス。ぱないっす。ふふふ。



「つっかれた~」


「あったけ~!」


「愛咲、飴買って来たぞ」



ドアが開いて男が3人入ってくる。


飴あめアメちゃーん!残り少なくなったから買ってきてもらったけど、寒さで顔が赤くなってる。


おぉ、やっぱ私が行けばよかったな。



「ありがと、永久<トワ>、遥希<ハルキ>、郁海<イクミ>」



今日は木曜日。


近くのスーパーの週1特売の日。いつも木曜日になると交代で買い出しに行く。



この“ハウス”に出入りができる人間は全員で2000人は超える。しかもそのほとんどが男だったら、消費量もバカにならないわけで。

毎週毎週3人ひと組で買い出しに行くわけ


この“ハウス”でやってくために、当番を毎月一日にジャンケンで決める。

買い出し係、掃除係、料理係、いろいろあるけど、まぁ生活していくために必要なことを皆でやってくのがこの“ハウス”での決まり。


上も下もない。みんな一緒。家族で仲間。




< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop