ヒナギク
ていうか、高校入るためになんで試験なんて受けなきゃならないわけ?
意味わかんない。そんなもんやらなくたって、別に何も変わらないと思うけどなぁ。
「ここはね、この方程式使って因数分解してけばaが出るでしょ?」
「あっ、わかった!サンキュー愛咲」
そう言って極上スマイルを向けてくれる玲衣。
マジ鼻血級ッス。ぱないっす。ふふふ。
「つっかれた~」
「あったけ~!」
「愛咲、飴買って来たぞ」
ドアが開いて男が3人入ってくる。
飴あめアメちゃーん!残り少なくなったから買ってきてもらったけど、寒さで顔が赤くなってる。
おぉ、やっぱ私が行けばよかったな。
「ありがと、永久<トワ>、遥希<ハルキ>、郁海<イクミ>」
今日は木曜日。
近くのスーパーの週1特売の日。いつも木曜日になると交代で買い出しに行く。
この“ハウス”に出入りができる人間は全員で2000人は超える。しかもそのほとんどが男だったら、消費量もバカにならないわけで。
毎週毎週3人ひと組で買い出しに行くわけ
この“ハウス”でやってくために、当番を毎月一日にジャンケンで決める。
買い出し係、掃除係、料理係、いろいろあるけど、まぁ生活していくために必要なことを皆でやってくのがこの“ハウス”での決まり。
上も下もない。みんな一緒。家族で仲間。