【短】想い出
泣きたくなんかないのに、これ以上困らせたくないのに、涙が止まんなかった。
「…ごめん。オレ鈍感…だな?」
困らせてごめんね…。
「今まで………あり…がとう…………ホン…トにホ…ントに大好き…だっ…た。」
「気がつかなくてごめん。オレ、普通に彼女の相談とかしてたよな…辛かったよな…ごめん。」
辛かった。
だけど、それでもあんたのそばにいたのはあたしの意思だから。
「オレ、………お前とは付き合えない。」
「…うん。」
知ってるよ。そんなこと。
「でも…」
「でも?」
「でもオレ、お前とは今まで通り友達でいたい。勝手なこと言ってごめん…お前が辛いだけなのは分かってる…けど、オレは…………」
「友達じゃ嫌………」
「……だよな。」
「でも、親友にしてくれたらいいよ。」
「えっ?」
「友達は嫌。親友ならいい…」
「……お前はオレの1番の親友だ!」
「うん!!」
あんたは笑顔だった。あたしも自然と笑顔になれた。