1年間の幸せ。
つまんない。
これがあたりまえだったけど
本当に、つまんない。
ガラッ
急に病室のドアが空いた。
私に会いに来る人もいないのに。
だれ?
…えっ
「未流ちゃん…」
「未流!?」
はなと…なでしこ…と
「未流ちゃんっ」
「おい、お前っ…!」
キイとゆうき…
どうして…
パチンッ
急になでしこにぶたれる私。
「蓮斗がどれだけ……苦しんでると
思って!!私達に話してくれてもよかったじゃない!!」
「そうだよっ!?」
花が珍しく語尾を伸ばしていない。
ぶたれた、左頬がヒリヒリして痛い。
苦しんでるってなに?
私、蓮斗を苦しめないために
傷つかせないためにやったんだよ…?
「ちょっとは…、蓮斗の気持ちも考えろよ。」
もうお願いだから帰ってよ。
「そうだよ。未流ちゃん。」
お願いだから…帰ってよ!!!
涙が…零れ落ちてしまった。
涙は止まることをしらない。
今はなぜか温かい水だ。
「未流。言いたいことゆっくりでいいから、ノートに書いて?」
…なでしこ
《私。死ぬから。だから。蓮斗に嫌ってもらうために。好きな子が出来たって嘘ついた。》
そう、書いて見せれば
みんなは目を見開いた。
「ちょっとまちなさい。病気なおってきたんじゃないの??」
私は、首をゆっくりと横に振る
ウェッグをとってみんなに見せる。
《髪の毛も、全部抜けちゃった》
「…」
みんなが黙る。
ぎゅっ
花が急に抱きついてきた。
「なんで…ふぅ…いってくれ…なかったの?」
泣きながらいう花。
《言ったらみんなはどうにかしてくれてたの?私の病気治ってた?だったら…言ったって意味ないじゃんか…》
みんなとも離れて私を
忘れて欲しい。お願いだから。
「また、そういうこというよな。
お前、凝りねぇわマジで。そういうのが俺らを傷つけてんだよ。」
「もう。あんたは一人じゃないんだよ」
なでしこ…
その一言で私は涙を沢山流した。