となり
食パンと紅茶で簡単に昼食を済ませ、部屋に入る。
ベッドと小さなローテーブルがあるだけの部屋。
勉強机も本棚もない。
アイツの部屋とは真逆のシンプル過ぎる部屋だ。
…暇。
何もない。
私が買ったものは全てアイツの部屋にあるし、それで不自由な思いをしたことなどなかった。
これまでの生活を振り返ってみよう。
朝起きて、顔を洗って、ご飯を食べて、歯磨きをしたらアイツの家へ。
アイツを起こし、制服に着替え、準備をしながらアイツを待つ。
アイツの準備が終わって、学校へ。
学校からアイツの家に帰って、部屋着に着替え、宿題をする。
アイツのベッドでマンガを読みながら、おやつを食べ、たまに再放送のドラマを見る。
夕食前に家に帰って、ご飯を食べる。
ゆっくりお風呂に入り、アイツのくだらないメールに返事をしながら連ドラを見る。
私が見ているドラマが終わる時間にアイツからおやすみメールが来て、それに返信をしたら就寝。
次の日はまた朝からアイツの家へ。
何気無く過ごしてきたが、考え直すと、私の生活はアイツばかりだ。