となり



「ねぇ喜嬉ちゃん。ちょっと来て?」

「…もうすぐ授業始まる」

「スグ終わるから‼︎ね⁉︎」




笑顔で腕を強く引っ張るぶりっ子。




しょうがないからコクっと頷いてぶりっ子の後ろをついて行く。




教室を出て、気づけば校舎の外。




少し離れた、今は使われてない旧校舎。




不気味な雰囲気が漂うその建物の中に、ぶりっ子は何の躊躇もなく入って行く。




その後ろをついて一歩、また一歩と足を進める。




…どこまで行くんだろうか。




とっくに授業開始を告げるチャイムはなった。




「ココ入って」




指定されたその場所は、古びたソファや一枚板のテーブルなどが雑に置かれていた。




入り口に書かれてあった文字は『生徒会室』だった。




昔の生徒会室か…。




だからソファとかテーブルとかあるのか。




「何で呼ばれたか、わかる⁇」




そう言うぶりっ子に首を振って返す。




呼ばれた意味とかわからない。




この部屋に入った瞬間に何処からか出てきた、十数人の女達も知らない。




ただ、少し…危機感を感じる。




良くないことが起こる、そんな予感。







< 24 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop