となり




意外や意外。




ぶりっ子集団は馬鹿力と言うものを持っていたみたいだ。




数人のぶりっ子に押されつけられ、いつの間にか手足にはロープ。




口にはガムテープ。




薄暗い旧校舎の生徒会室に閉じ込められたみたいだ。




叫ぶこともできないし、逃げることなんて絶対ムリ。




学校はケータイ禁止だし、この状況を誰かに伝える手段がナイ。




『せいぜいココで苦しめばいいのよ』

『湊くんに貴女みたいなオンナは似合わないわ』




どこかで聞いたことあるような、そんな悪役捨て台詞を吐いて行ったぶりっ子集団。




…ここに来て何時間経ったのだろう?




1時間授業をサボればきっとアイツは変化に気づく。




それまでの辛抱だ。




今までもそうだったじゃない。




かくれんぼが得意な私を見つけてくれるのはいつもアイツだった。




遊園地で喧嘩して逃げたした挙句、迷子になった私を探し出したのもアイツ。




きっと今回だって来てくれる。




いや、訂正しよう。




絶対にアイツは来てくれる。






< 26 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop