となり
意外や意外。
ぶりっ子集団は馬鹿力と言うものを持っていたみたいだ。
数人のぶりっ子に押されつけられ、いつの間にか手足にはロープ。
口にはガムテープ。
薄暗い旧校舎の生徒会室に閉じ込められたみたいだ。
叫ぶこともできないし、逃げることなんて絶対ムリ。
学校はケータイ禁止だし、この状況を誰かに伝える手段がナイ。
『せいぜいココで苦しめばいいのよ』
『湊くんに貴女みたいなオンナは似合わないわ』
どこかで聞いたことあるような、そんな悪役捨て台詞を吐いて行ったぶりっ子集団。
…ここに来て何時間経ったのだろう?
1時間授業をサボればきっとアイツは変化に気づく。
それまでの辛抱だ。
今までもそうだったじゃない。
かくれんぼが得意な私を見つけてくれるのはいつもアイツだった。
遊園地で喧嘩して逃げたした挙句、迷子になった私を探し出したのもアイツ。
きっと今回だって来てくれる。
いや、訂正しよう。
絶対にアイツは来てくれる。