となり
2人分の鞄を走って取りに行ったアイツ。
あり得ないスピードで帰ってきた。
それから私の手を取って、支えながら歩いてくれる。
別に痛くも痒くもない体だったけど、つないだ手をなんとなく離したくなかった。
「喜嬉〜寝癖ついてるぞ」
「ん…さっき寝てた」
「は?あの状況で⁉︎閉じ込められてたのに⁉︎寝てたのか⁇」
驚きながらも寝癖を直してくれるアイツ。
片手は手をつないで、もう片手には鞄を二つも持ってるのに器用だな…。
「わかってたから…」
「ん?」
「絶対探し出してくれるって」
「そうだな‼︎」
顔をクシャってさせて笑うアイツ。
この笑顔が好き。