となり
「帰ろっか」
「湊の家?」
「当たり前じゃん」
さも当然だと言うように私を引っ張って行く湊。
湊も洗脳された1人なのかもしれない。
「ねぇ湊…」
「どうした⁇」
「普通、他人の家に入る時ってインターホン鳴らすよね⁇」
「そうだな」
「私、湊がインフルエンザで休んでるとき初めて湊の家のインターホン押したよ」
「だって俺の家は喜嬉の家でもあるだろ⁇」
「……そうなのかな?」
「そうだろ。今までもこれからも、ずっと俺と喜嬉は一緒じゃん」
湊に言われるとそれが正解のような気になってしまう。
今までもこれからもずっと一緒…。
幼馴染でも恋人でも。
関係の名前が違っても、私と湊は離れないんだ。
きっとこれは決まってることなんだ。
湊が居ないと私はダメになる。
多分湊だってそう。
2人で居るから、今があるんだね。