となり




小中高とアイツとは同じ学校。




何クラスもある中で、今までアイツと違うクラスになったことはない。




いつでも、どこでも、隣にはアイツ。




それが当たり前で、それが日常。




「喜嬉〜‼︎同じクラスだったよ‼︎湊くんも」

「何クラス?」

「3組だよ‼︎」




掲示板から少し離れたところでボーッとしていると、いつの間にかモモが確認してくれていたみたいだ。




…人の多いところは苦手だ。




そういえば今まで自分でクラスを確認したことはあっただろうか。




いや、ない。




いつでもアイツが教えてくれた。




高校受験の合格発表も然り。




自分で自分の番号を見ていない。




いつも決まって、少し離れた隅の方でアイツを待つ。




いつも煩くて、役立たずだと思っていたが…




実は気づかないところでアイツは役立っていたらしい。




17年生きてきて、初めて知った。



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