記念すべき、100回目のキス

麦茶を飲んでる女子って萌えるね、と君が言うから、それが他の女子でも?と聞いてやった。


「ち、違うよ。
カズ以外の女子が裸でうろついてたって、俺何にも思わないよ。
カズだから、だよ」


例えがあまりにも、普通の男子なんだなと思わせる発言で、のけぞりそうになった。



きっとアキは、キスの次に進もうとしている。


私だって、それくらい、一緒にいればわかる。


友達にだって言われた。


もうそろそろだね、と。

あのアキが想像できないね、と。


ぶんぶんと首を横に振りたくなった。


違うよ、アキはすごく男の子なんだよ、って。


私とキスする時は、どこの男子よりも、男の子らしくて格好いいんだよ、と。



「アキって、可愛いのか格好いいのか、分かんない」


「それ、口説いてるわけじゃないよね?」


「素直な疑問です、はい」



「答えはねー・・・・・・。
カズの前では、どっちも、かな?
だって、そうでしょ?」


そうやって、口元をきゅっと上げて笑う君は、可愛いのに。


「どっちも、ってずるい」


「だって、そうだもん。
カズって本当に、素直じゃないねー。
照れ屋で口下手で、素直じゃなくて、
でも、そういう所が可愛いんだけど」


向かいにいた君は、ちょこちょこと座りながら隣に来た。


いま一つ願いが叶うなら・・・・・・。


君にずっと可愛いままでいてほしい。



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