記念すべき、100回目のキス
君は私の体を綺麗だ、と言ったけど、私に言わせれば、君の少し焼けた肌と何気にある筋肉の方が綺麗だった。


あの格好いいに加え、君は美しくて、汗で光る背中は、芸術としか言いようがなかった。


「やっぱり、夏はちょっときついね」

ベットに横たわりながら、君は汗をタオルで拭いていた。


「他の季節でしたことないから、
良く分かんないけど」


「お、俺だってカズが初めてだよ!
カズと付き合った日から、カズと最初にするって、決めてたんだから」



「何かその発言、やばいよ?」


「普通、普通。
男は好きな子との、
いろんなことを考えたりするの」


「いろんなこと、って何かエロいし」


私がアキの肩をとんと叩くと、思い出したかのように言った。


「あ、さっきの訂正していい?」


「へ?何が?」


「記念すべき100回ってやつ」


「え?違うの?」


「いや、違ってはないんだけどね」


「何それ」


アキはタオルで顔をごしごしと拭くと言った。



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