hug
ふうちゃんがシャワーを浴びている間、僕は、必要以上にバスタオルでゴシゴシと頭を拭きながら部屋の中をウロウロとしていた。



パタンと、風呂場の扉が閉まる音がして、何食わぬ顔でその場に座り、雑誌をめくった。



「シャワーありがとう」


「う、うん」



僕は、振り向きもせずに返事をした。



「むーさんのスウェット大きいから、ズボン要らない」



「えっ!?」



思わず、振り向く。
小さな身体のふうちゃんには、スウェットの上だけ羽織れば充分だった。


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