運命を画策した堕天使



二学期が始まった。
颯ちゃんのおかげで数学のプリントも他の宿題も、始業式に提出することが出来た。


はるちゃんとのりちゃんに、颯ちゃんと付き合うことになったと報告したら、



「やっと、だねぇ~、」

「長い冬が終わった、」



なんて訳のわからないことを言われ、その後、良かったねと頭をなでられた。

この事を颯ちゃんに言えば、ああ、と何か納得したように頷いて、



「周りからみたら、歯がゆかったんじゃないかな?」

「歯がゆい?」

「そう、二葉が俺の事を好きで、俺が二葉の事を好き、って周りから見れば一目瞭然だからね。」

「う、うそ、」

「ほんと、」



のほほんと言う颯ちゃんに、私の頬は赤くなる。
そんなに自分はわりやすかったのだろうか・・・
隠していたつもりだったのに、



「それに、いつの時代でも、俺が迎えに行っていたでしょ?」

「う、うん。」



必ず来てくれていた。
私が窮地に立たされた時に、
手を差し伸べてくれた。



「なのに、どうして俺が一花さんを好きだと思うかなぁ~、」

「だ、だって、」

「あれは、憧れの眼差しじゃなくて、観察と監視の視線だから、」

「・・・。」



さらりと物騒な事を言う颯ちゃん。



「さて、これで堂々と俺のモノだと宣言できるね。」

「え?」

「二葉に悪い虫が付かないようにしていたけど、これで少しはマシなると思うし、後は二葉がもっと俺に愛されているって自覚することかな。」



ね?なんて微笑まれて、私はどう返事をして良いかわからない。
ただ頬が赤くなっていると自覚した。



END?
< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop