運命を画策した堕天使
二学期が始まった。
颯ちゃんのおかげで数学のプリントも他の宿題も、始業式に提出することが出来た。
はるちゃんとのりちゃんに、颯ちゃんと付き合うことになったと報告したら、
「やっと、だねぇ~、」
「長い冬が終わった、」
なんて訳のわからないことを言われ、その後、良かったねと頭をなでられた。
この事を颯ちゃんに言えば、ああ、と何か納得したように頷いて、
「周りからみたら、歯がゆかったんじゃないかな?」
「歯がゆい?」
「そう、二葉が俺の事を好きで、俺が二葉の事を好き、って周りから見れば一目瞭然だからね。」
「う、うそ、」
「ほんと、」
のほほんと言う颯ちゃんに、私の頬は赤くなる。
そんなに自分はわりやすかったのだろうか・・・
隠していたつもりだったのに、
「それに、いつの時代でも、俺が迎えに行っていたでしょ?」
「う、うん。」
必ず来てくれていた。
私が窮地に立たされた時に、
手を差し伸べてくれた。
「なのに、どうして俺が一花さんを好きだと思うかなぁ~、」
「だ、だって、」
「あれは、憧れの眼差しじゃなくて、観察と監視の視線だから、」
「・・・。」
さらりと物騒な事を言う颯ちゃん。
「さて、これで堂々と俺のモノだと宣言できるね。」
「え?」
「二葉に悪い虫が付かないようにしていたけど、これで少しはマシなると思うし、後は二葉がもっと俺に愛されているって自覚することかな。」
ね?なんて微笑まれて、私はどう返事をして良いかわからない。
ただ頬が赤くなっていると自覚した。
END?