52歳のファーストキス
気づくと、もうとっくに夕日は落ちていて、
辺りはうっすら暗かった。

これが私の世界。

「すいません、長居しちゃって。
もう帰らなくては……」

「いえいえ、こちらこそ。お引き留めしてすいませんでした」

いつもの敬語。

暗闇に足をすくわれる前に帰らなきゃ。
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