52歳のファーストキス
「あの~、
じゃあ頼んじゃってもいいですか?」

そう言って、彼女は会社の封筒を差し出した。



「これ持って病院へ行って欲しいんです」

「びょ、病院ですか?」

「臨港病院です。わかりますぅ?」

「わかります」

「よかった。なら話が早い♡」


「あの、何で? 何の用事?」

「届けて欲しいんです、遠藤さんに」

「え?!」


突然の「遠藤さん」というワードに思わず声が上ずった。
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