愛シテル
「藤吉君。後で屋上来てよ」

授業が終わってすぐ、井崎が来た。
さしずめ俺が里菜と何話してたか
気になるんだろう。

「いいよ…二人で、だな?」

念を押しておく。
ここで里菜が居てみろ、怪我どころか最悪…里菜の命に危険が及ぶ。

「もーっちろん♪
里菜ノ悲シム姿ハ見タクナイカラネ」

とても狂気じみた笑みを浮かべる井崎に俺はゾッとした。
愛情がここまで人間を狂わすと
身に染みてわかった。

「じゃあ、屋上いこう。」

ニヤリと笑いながら俺に手招きを
する井崎。
そして、俺は自ら地獄へ行った。




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