愛シテル
こんなのおかしい…僕は里菜のために殺ったのに!!
どうして里菜は泣きじゃくってるんだよ?
まるで僕が悪いみたいじゃないか!!

「藤吉…死んじゃヤダよぉ…」

死んじゃ嫌?
邪魔だっただろう?嫌いだったろう?喜べばいいじゃないか!!

「里菜は…嬉しくないの?」

おそるおそる僕が聞くと

「嬉しいわけないじゃない!
大切で大好きな人が死んで喜ぶ奴は
この世には居ないわ!」

タイセツ?ダイスキ?
それは僕に向ける言葉だろ?
あぁ…。
里菜はもう僕の里菜じゃないんだね
壊れたんだね…だったら
僕ノモノジャナイ里菜ハイラナイ
僕ガ元ニ戻シテアゲル。

二人だけの世界で

「里菜…行くよ」

「えっ?」

泣き止まない里菜を半ば強引に連れ出し、僕の家へ向かった。
僕には家族が居ない。
両親は病気で他界。兄弟もおらず。
だから二人だけの空間となる。

「ここってどこ?」

キョトンと僕の顔を見ながら聞いてくる里菜はとても愛くるしい。

「僕ん家だよ。これからは僕らん家だけどね。」



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