ぜってぇ、離さねぇから【短】
「うん、いいよ…」

恥ずかしいなと思いながらもOKをすると、浩樹は小さなガッツポーズをしていた。

「んじゃ、行こうぜっ!!」
「えっ、あっ、浩樹くん!そんな引っ張らないで…!!」

オトナなのか、子供なのか、動物なのか?分からない浩樹に未咲は自然と笑顔になっていた。

「うー、ごめんっ。俺、デートとかサッパリで…。オンナノコの行きたい店とか全然分かんなくて…」
「ううん、大丈夫だよ」

着いた先は、居酒屋。

浩樹は席に着くなり、「なに、飲む?」「未咲は、なに食いたい?」と。

料理が運ばれてくれば、「ほら、たくさん食えって!」「俺が取ってやるよ!」と。

お会計の時は、「ダメだ!俺が誘ったんだから俺が払う!」と、未咲に1円も出させなかった。
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