ぜってぇ、離さねぇから【短】
それから5分もしないうちに、息を切らした浩樹が戻ってきた。

「未咲!待ったかぁ?…待ったよなぁ。ごめんなっ?」
「えっ、あ、ううん。大丈夫だよ…」

未咲は咄嗟に笑顔を作ったが、内心どうしていいか分からなかった。

実は、未咲も浩樹に恋をしていた。

いつも話し掛けてくれる、浩樹。

断っても断っても、食事に誘ってくれる。

そんな浩樹のことを、未咲は好きになっていた。

けれど、そんな気持ちを浩樹に伝えることはできなくて、忘れてしまおうと気持ちにフタをしたのだ。

なのに、浩樹の気持ちを知ってしまった。

浩樹に対しての気持ちが、どんどん溢れてくるのが自分でも分かってしまった。
< 5 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop