ぜってぇ、離さねぇから【短】
「ホントにいいのか…?じゃぁ…、この卵焼き食いたい!」
「うん、いいよ。はい」

未咲は自分の箸で卵焼きを掴み、浩樹のお弁当の上に置こうとした。

「えぇ。未咲、食わせてくんねぇの?」
「えっ?」

驚いて浩樹を見れば、子犬のように尻尾を振り、目もキラキラ輝かせてるカレがいた…。

「いや、でも…」
「んな、恥ずかしがんなって!ほら、あーん」

そんなこと言われても、恥ずかしいものは恥ずかしい…。

あ、犬だと思えばいいのか!?

そう決意した未咲は、恐る恐る浩樹の口の中に卵焼きを入れた。

「んーっ、うまい!!」
「本当?」

卵焼きひとつに、ここまで笑顔になる浩樹にまたキュンとなった。
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