Moonlight
第一章
プロローグ
満月が綺麗な夜…
30階建てのビルの屋上の端。
一人の女が立っていた。
しっかりした目鼻立ち、潤った唇、長く美しい黒髪…
そこから溢れ出す色気…
彼女と擦れ違った男は皆、必ず振り返りその美貌と色気に釘付けになるだろう。
サワサワ-
美女はその美しい髪を風に遊ばせ、その場から車や人が激しく行き交う道路を見下ろしている。
しかし、その目には光が全く感じられない。
どこか闇に囚われているような……
そして彼女がポツリと呟いた。
「もう疲れた……何もかも……」
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