Moonlight
「…別に理由なんてない…」
何の感情もなく言った。
ホントは、族の仲間との関係…自分の居場所…
が、原因かな…
元々、あたしと仲間は余り仲良くないと言うか、喋らなかった。
でも、晴輝がそんなあたしと仲間を繋いでいてくれてたのだ。
でも、晴輝が抜けてから、また元の関係に戻ってしまった。
両親も不良になったあたしに呆れて、最近じゃ話しかけても来ない。
学校でも一匹狼扱い。
あたしの居場所なんてない気がしたから…
「…嘘…付くなよ…」
立ち止まって、振り返りあたしを見つめてきた。
フッ…
あたしは思わず笑みをこぼした。
真剣な真っ直ぐな瞳。
あぁやっぱり、月日が経っても晴輝には適わないな…
あっでも、喧嘩じゃあたしの方が強いけど!
「何だよ!」
不機嫌そうに言って拗ねる彼。
そういうとこ幼稚だなって思うんだよね〜
「ん〜?やっぱり晴輝には適わないなぁ〜って」クスッ
今度はあたしが晴輝の前を歩く。
「は?何が?」
晴輝の顔は見えないけど、間抜けそうな顔が浮かぶ。
「あたしの嘘、異変…ぜーんぶ晴輝だけは気づいちゃうから…」
「そりゃ長い付き合いだからな〜☆」
うわ…絶対、今調子に乗ってる…
「まぁ、喧嘩はあたしの方が強いけどな」
「う”っ…」
軽く釘をさしたあたし。
言葉に詰まる晴輝。
「晴輝は面白いな」クスクス
「それバカにしてねぇか?」
「うん、してる」クスクス
「おいっ!!」
「クスクス…」
あたしは笑いが止まらなかった。
晴輝といると楽しくなる。
やっぱり、凄いよ…晴輝は…