Sweet*Princess
5sweet*隠し事
1*浮気?!
久しぶりの、壱斗と一緒の登校。
周りの目は相変わらずすごかったけど
もう、痛くはない。
釣り合ってないなら釣り合ってないで
堂々と、胸張って歩いてやろうじゃない。
「姫乃……」
「どしたの?」
隣で歩いていた壱斗を見ると、驚いた顔をしていた。
……次の瞬間には、微笑んでいたけれど。
「俺、姫乃のそういうところ、好きだよ」
「壱斗……」
「ただ……置いていかないで。一人だけ、大人にならないで」
壱斗は少し、寂しそうに微笑む。
時々、そんな顔するよね?
捨てられた子犬みたいな目をして
何かに縋るような顔。
その顔が“助けて”って言ってるような気がするのは私の気のせいかな?
「もう、どこにも行かないから。私には、壱斗が必要なの…ッ」
なぜか泣きそうになった。
壱斗が心の中で泣いてるから?
それとも
自分の気持ちが抑えきれないから?
そんなことはわからないけれど
壱斗がすごく幸せそうに微笑んだから
私まで幸せな気分になれたんだー……
*