Sweet*Princess
「て、てゆーか!なんで壱斗がここにいるの?!」
「え?あぁ、姫乃に会いたかったから来た」
「あ、い、壱斗……」
壱斗、そんな綺麗な笑顔で悩殺しないで……
「先輩、姫乃をからかってるんですか?」
「だって姫乃、可愛くない?」
「…………」
こんな会話も、私には聞こえてなかったり。
「あ、そうだ。斎藤ね、今日迎えに来れないんだって」
……壱斗さん、ほんとはそれを言いにきたんだね?
「俺部活だから一緒に帰れないし……」
「あ、うん、大丈夫!一人で帰れるから」
「いや、でも…」
「私、一緒に帰るんで大丈夫ですよ?壱斗先輩」
「ほんとに?」
「ハイ」
「んー、じゃぁよろしくね」
…なんか、私関係なしに話決まっちゃった?
「あ、姫乃」
「は、はい?!」
「帰ったら……ね」
「壱斗……」
ポンって頭に置かれた手は大きくて温かくて。
不安も嫌なことも全部、忘れちゃうよ……
「壱斗……」
抑えきれない想いはどんどん胸の中に溜まっていって
私に微かな甘さを伝えてくれる。
胸がギュッて苦しくなるのもあなたを好きって証。
そうだよね、壱斗…?
*