Sweet*Princess
「ね、ねぇ姫乃!!」
「ん、はい?」
クラスの女の子が壱斗の出ていった扉を見てキャーキャー言いながら話しかけてきた。
「い、今王子様笑ってたよね?!」
「え?あ、うん…」
「なんで?どうして?“氷の王子様”なのに笑顔も素敵なんてありえない!!」
……あ、あの。目がハートになってますけど?
「なんで?!姫乃の前では笑うの?!なんであんなに素敵なの?!」
「さ、さぁ…遺伝子じゃない?」
麻生家の皆様は美しすぎる人ばかりだからね。
「ねぇ、王子様に兄弟がいるってほんと?!」
「うん、ほんと。お兄様が二人と弟が一人」
「うっそー!!みんなあんなにカッコいいの?!」
「うん、カッコいいよ。……まぁ、壱斗が一番カッコいいけどね」
「キャー!!見たぁい!!」
って、後半誰も聞いてないし!!
無駄照れじゃん……
「ねぇね、家行ってもいい?」
「うん………て、はぁ?!?!」
い、家って、麻生家ってことだよね?!
「やったー!!姫乃がいいって!!」
「ちょっ、」
ちょっと待てー!!!
*