Sweet*Princess
か、カッコいい……
って、感心してる場合じゃないって!!
「み、美帆!!」
足早に歩く美帆を、少し走りながら追い掛けた。
斎藤さんは後ろ姿しか見えないけれど、隣の女の人の雰囲気から楽しそうなのはわかる。
あの女の人が、迎えに来れないほどの“用事”なのー…?
前を歩いていた美帆が、急にビクッてして立ち止まった。
「美帆?どしたの?」
斎藤さんを目で追うと、賑やかな街に入って行く。
いわゆる、“夜の街”。
「こ、ここ…」
「ん?」
「亮佑と……出会ったところ…」
斎藤さんと美帆の出会いって……
確か、絡まれてる美帆を斎藤さんが助けて……って、危ない場所じゃん!!
そう言えば、周りは明らかに“夜のお仕事”をしてる人達ばかり……
「なんでかな?亮佑は、私じゃ物足りないのかな?」
「そ、そんな事ないよ!!浮気って決まったわけじゃないじゃん!!」
美人の美帆が泣き出したからか、周りの男の人たちはハイエナのような目でこっちを見ている。
もう、斎藤さんのバカー!!
……ん?
い、今目合いました……?
*