Sweet*Princess
2*長男の秘密
ど、どうしよ……
美帆と斎藤さんのところに行こうにも、どこに行ったかわからないし……
と、とりあえず!
ここを離れたほうがいいよね…?
よし!って気合いを入れて体の方向を変えた瞬間
ドンッて体に衝撃が走って後ろに吹き飛ばされた。
「い、いた……」
「大丈夫?」
「あ、はい……」
差し出された手に自分の手を重ねて、顔を上げた瞬間。
手を握ったまま目を丸くするその人と、手を握られたまま動けない私の視線が絡まった。
「ま、雅斗さん……?!」
「姫ちゃん?!なんでここに……!!」
「こっちの台詞ですよ!!」
「え?あ、俺は……」
言いにくそうに目を伏せた雅斗さんの服装を見て、また固まってしまった。
「ま、雅斗さん……」
「あれー?雅[ミヤビ]さん、また客捕まえたんですか?って、その娘未成年ですよ?!雅さん、まさか……」
「ち、違うっつの!!この娘はあれだよ、弟の彼女!!」
雅斗さんを“雅”と呼んだ男の人は、明らかに“夜のお仕事”をしている人。
……やっぱり、雅斗さんって
ホストなの………?
*