Sweet*Princess

2*婚約者



「…めの!」




うん…?誰かに呼ばれてる……




なんか懐かしい声だぁ……






「姫乃!姫乃!」




「ん~……ん?!」



麻生先輩が?!


どうしてここに?!?!




…………



あぁ、そうだ。


結婚するんだ。


私、麻生先輩と……



ハァ…ほんとどうしよ……




「目覚めた?」


「あ、はい…」



そっかよかった、って頭を撫でて優しい顔で笑う。



う~ん、なるほど…


こりゃモテるわ……




「あの、麻生先輩…」


「ん?……てか、その呼び方やめようよ」


「え?じゃぁ壱斗様?」


「様?!やめてよ~、俺そんないいもんじゃないし」



ハハハッて照れたように笑う先輩の笑顔に少し見惚れちゃったり。


だってほんとに綺麗なんだよ?!


このはにかんだような笑顔が可愛くて…って、変態みたいだからやめよう。



「壱斗でいいよ。で、どうしたの?」


「あ、あの…ほんとに結婚するんですか?」


「さぁ~?」


さぁ?!って、そんな軽く言うもん??!!



「姫乃が嫌なら無理矢理結婚はさせないと思うよ?親父は」



いや、あの嫌ってゆーか……、



私、普通の女の子だし?



先輩みたいな綺麗な人とは釣り合わない。


それに、好きな人だって



いるんだから………。



.
< 11 / 231 >

この作品をシェア

pagetop