Sweet*Princess
2*婚約者
「…めの!」
うん…?誰かに呼ばれてる……
なんか懐かしい声だぁ……
「姫乃!姫乃!」
「ん~……ん?!」
麻生先輩が?!
どうしてここに?!?!
…………
あぁ、そうだ。
結婚するんだ。
私、麻生先輩と……
ハァ…ほんとどうしよ……
「目覚めた?」
「あ、はい…」
そっかよかった、って頭を撫でて優しい顔で笑う。
う~ん、なるほど…
こりゃモテるわ……
「あの、麻生先輩…」
「ん?……てか、その呼び方やめようよ」
「え?じゃぁ壱斗様?」
「様?!やめてよ~、俺そんないいもんじゃないし」
ハハハッて照れたように笑う先輩の笑顔に少し見惚れちゃったり。
だってほんとに綺麗なんだよ?!
このはにかんだような笑顔が可愛くて…って、変態みたいだからやめよう。
「壱斗でいいよ。で、どうしたの?」
「あ、あの…ほんとに結婚するんですか?」
「さぁ~?」
さぁ?!って、そんな軽く言うもん??!!
「姫乃が嫌なら無理矢理結婚はさせないと思うよ?親父は」
いや、あの嫌ってゆーか……、
私、普通の女の子だし?
先輩みたいな綺麗な人とは釣り合わない。
それに、好きな人だって
いるんだから………。
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