Sweet*Princess
「お風呂入りな…って、あ、電話中?」
「う、うんッ」
“王子戻って来たの?なら切るねー。おやすみ”
「う、うん!また明日!」
ピッて電話を切って、しばし沈黙。
やだなぁ……壱斗に隠し事するの。
でも絶対言えないし……
「姫乃?」
「ひゃい?!」
「電話誰と〜?」
「あ、み、美帆!!」
「ふ〜ん………なぁ、なんで目合わさないの?」
「そそ、そんなことないよ!!」
なんて言いながらもじっと瞳を見つめてくる壱斗に対して、私の目は床に向かって泳ぐばかり。
「怪しい……」
カプッ
「にゃー?!」
い、今、耳かかか噛まれた?!
「やっと目合った…」
ビックリして上を向いた私の頬を、壱斗は優しく包み込んだ。
は、恥ずかしいけど……下向けないし……
「姫乃って……耳弱いよね?」
そんな綺麗な顔で意地悪に微笑まないでー!!
恥ずかしくてどうしようもなくて、ギュッて目をつぶると
壱斗は軽く唇にキスをして、私を腕の中に閉じ込めた。
*