Sweet*Princess



「お風呂入りな…って、あ、電話中?」


「う、うんッ」


“王子戻って来たの?なら切るねー。おやすみ”


「う、うん!また明日!」



ピッて電話を切って、しばし沈黙。


やだなぁ……壱斗に隠し事するの。


でも絶対言えないし……



「姫乃?」


「ひゃい?!」


「電話誰と〜?」


「あ、み、美帆!!」


「ふ〜ん………なぁ、なんで目合わさないの?」


「そそ、そんなことないよ!!」



なんて言いながらもじっと瞳を見つめてくる壱斗に対して、私の目は床に向かって泳ぐばかり。



「怪しい……」


カプッ



「にゃー?!」


い、今、耳かかか噛まれた?!



「やっと目合った…」


ビックリして上を向いた私の頬を、壱斗は優しく包み込んだ。



は、恥ずかしいけど……下向けないし……



「姫乃って……耳弱いよね?」



そんな綺麗な顔で意地悪に微笑まないでー!!



恥ずかしくてどうしようもなくて、ギュッて目をつぶると


壱斗は軽く唇にキスをして、私を腕の中に閉じ込めた。



*
< 114 / 231 >

この作品をシェア

pagetop