Sweet*Princess
3*三男の傷
翌朝
学校に行く準備をして、壱斗と一緒にリビングに入る。
……と。
「おっはよー、壱斗に姫ちゃんッ」
「まままま雅斗さん……!!」
って、私何赤面してんだー!!
「あっれー?姫ちゃん、どしたの?顔赤いよ?」
今までに見たことがないほどの意地悪な笑顔でグイッて顔を近付けてくる。
「ま、雅斗さん、あの、ななな何もないですか、ら…」
「雅兄、姫乃にかまうな」
必死に逃げてると、いつの間にか目の前は雅斗さんの顔から壱斗の背中に変わってて
いつもより低い声が聞こえた。
い、壱斗……怒ってる……?
「ん〜?壱斗くん、もしかして……嫉妬?」
「…なら、何?妬いて悪い?」
……ど、どうしよ。
壱斗怒ってるのに、すごく嬉しいんだけど……
「雅斗、もう壱斗お兄ちゃんと姫乃をからかうなよ。みぐるしいぞ」
なんて、毒舌を吐く明斗くん。
雅斗さんは、本当に“ガーン”って音がつきそうな顔をしてる。
雅斗さんは明斗くんを猫可愛がりしてるもんね……
なんか面白いな……
「なにわらってんだよ、姫乃。きもいぞ」
……さすが明斗くん。
言うことが違うよ
*