Sweet*Princess
やっと自分の席に落ち着いた私達は、食事を始めた。
右隣が壱斗で、私の前には……雅斗さん。
なんかやだなぁ……この席。
気付かれないようにチラッて雅斗さんの顔を盗み見る。
……悔しいくらいに綺麗な顔。
綺麗な指。
綺麗な髪。
綺麗な肌。
あの、柔らかそうな唇と、私……
「姫ちゃーん?どしたの?俺の顔じっと見て」
ん?
「ご、ごめんなさい!!」
ひぇ〜〜〜!!
雅斗さんは綺麗な顔をゆーっくり意地悪に歪ませて
言った。
「俺に、惚れちゃってもいいんだよ?たぶん、壱斗より………うまいよ?」
う、うまい……?
「うまいって……?」
「あー!もう、雅兄余計なこと言うんじゃねーよ!!」
「なんでー?何が余計なの?」
「姫乃は純粋なんだよ!」
「ハァア、ほんとガキだなぁ、雅斗は」
「ちょ、ちょっと待てよ、明斗!なんで?壱斗は?!」
「壱斗お兄ちゃんはいいんだよ!」
「なななな………」
明斗くんって、壱斗にだけ“お兄ちゃん”付けるよね?
雅斗さんと史斗さんは呼び捨てなのに。
壱斗好きなのかな?
*