Sweet*Princess



壱、斗……?



どうしてそんな顔するの……?



冷たくて


少し寂しそうで……



やだ、壱斗



私がいるよ



だからそんな一人ぼっちみたいな顔しないで………






「…そろそろ、行こっか」


「あ、うん……」




それからリビングはさっきの賑やかさが嘘だったかのように静まり返って


壱斗の顔は寂しそうなままだった。



やっぱり、壱斗の過去には何かあるの─…?










「ねぇ、壱斗?」


「ん?」


車の中で話しかけてみると


壱斗はいつもの笑顔で微笑んでくれた。



まるで、さっきの顔は夢だったかと思うほどに。




「うぅん、何でもない」


「ハハ、さっきの話?」




………え?



「いや、気にしてるっぽ
< 119 / 231 >

この作品をシェア

pagetop