Sweet*Princess
6sweet*確かめる愛

1*四兄弟の人気




昼休み。


美帆に今日の朝のことを言ったら、美帆は少し辛そうな顔をして話し始めた。



「王子も何人か、付き合ったことあるみたいだからね。初めてじゃなくても……仕方ないかも」



そんなことわかってるよ。


壱斗はカッコよくて優しくて、完璧な人。


未だに、どうして私を選んでくれたのかわからないくらい。



でもね、気になるのはそこじゃないの。


「そうなんだけど……、雅斗さんと史斗さんがその話した時ね。壱斗……ちょっと辛そうで、冷たい顔してたの」


普通に付き合ってた彼女と初エッチしたなら、あんな顔するかな?



「王子に聞いてみたら?」


「聞けるわけないよ……もうあんな顔見たくない」


「なら…もう忘れるほうがいいんじゃない?王子は今、姫乃が好きなんだから」


「うん……」





頭を抱えて壱斗のことを考えていた私は、誰かが近付いてきたことに気付かなかった。


「ねぇえ?姫乃ちゃん?」


「んー?」


「今日お家行ってもいい?」


「んー」


「やったぁ!麻生家に行けるわよーー!」


「んー」



・・・・・・




「はぁぁぁぁぁぁ?!?!」


目の前で歓喜するクラスメートを見て呆然。



*
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