Sweet*Princess



「まままままま雅斗さ……ッ」


「おー!姫ちゃん帰ろッ」


「なななんで?!斎藤さんは!!」


「斎藤は明斗迎えに行ったよ☆」



わざわざ語尾に☆をつけないでください。




「なんで雅斗さんがここに!!」


「斎藤に頼んだんだよねぇ。久々に母校を見たかったからさ。姫ちゃん俺が迎えに行くよーって」


「へ、へぇ……」




ほんとに?


目的は“母校が見たいから”じゃなくて


“女子高生が見たいから”じゃないの?



現に今も、キョロキョロ辺りを見回して目が合った子にウィンク!!


横では、美帆が“なーんだ。亮佑じゃないんだ”なんて言ってるし。



ハァ、もう疲れる………




「ねぇ、姫乃ちゃん?お兄様に聞いてみてよ!家行っていいかどうか」


クラスメートのDさんが、雅斗さんを見たまま聞いてきた。



自分で聞いてよ……なんて思いながらも、言えない私。



満面の笑みの雅斗さんにそっと近付いて、小さい声で言った。


「この子達が…家来たいって言ってるんですけど。ダメですよね?」


お願い!ダメって言って!!



「いいよー☆大歓迎ッ」


雅斗さんに聞いたのが間違いだった……



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