Sweet*Princess
2*四男の言葉
家に着き、雅斗さんが運転していた車を降りる頃には、雅斗さんとクラスメート達はかなり仲良くなっていた。
雅斗さんを真剣に好きになっちゃった娘もいるかも………
あ、そういえば。
どうなったんだろう、雅斗さんと、雅斗さんの好きな人は。
確か“好きになっちゃいけない人”だったような………
雅斗さんをチラッて見ても、クラスメートに楽しそうな笑顔を向けている。
本当なのかな、あの話は。
もし本当なら………、今の笑顔も演技?
しばらく見ていると、雅斗さんはふと俯いて
…………冷たい瞳をしていた。
演技なんだ、あの笑顔は。
壱斗に似ている。
雅斗さんも、壱斗と同じように心に傷を持っているの?
「あー!亮佑!!」
隣に立っていた美帆が、急に叫んだ。
「は?美帆?」
美帆の視線の先には斎藤さんと明斗くん。
斎藤さんは驚いた顔を隠そうともせず、明斗くんと一緒に近付いてきた。
「美帆、なんでここに?」
「遊びに来たの!」
「え、斎藤の彼女ってこの娘?」
*