Sweet*Princess



「え?は?」


Aさんは口をアングリと開いたまましばらく動かなかった。


そりゃ、ビックリするよねぇ。


私もビックリしたもん、明斗くんの本性を知った時は。



「あんたらさ、こうすいくさいんだよね。壱斗お兄ちゃんが、あんたらみたいなの好きになるとおもう?ありえないね」


「ななななな……ッ!」



クラスメート達は、顔を真っ赤にさせて怒りをおさえようとしている。



「たのむからさぁ……かえって?壱斗お兄ちゃんめあてで姫乃に近付くなんてさいてい。」



………え?



明斗くん、もしかして私のために言ってくれてるの?



本当はすごく嫌だったんだ。


今まで私に話し掛けようともしなかった人達が、


私が壱斗の婚約者になった瞬間、近付いてきた。




顔と名前が一致しないのに、携帯の電話帳は容量オーバーぎりぎり。



元から仲のよかった友達さえも、信じられなくなってきてたんだ。




「いつまでここにいる気?」


「ッ!最低!!」



クラスメートは、明斗くんのことを“王子の弟があんな性格悪いわけない!”とか、


“顔だけはいいのに!”



とか、散々言って帰って行った。



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