Sweet*Princess
なんか嬉しいなぁ……
好きな人がここまで褒められるのは。
「姫乃のことも……きらいじゃないよ」
「え……?」
赤かった顔が、更に赤くなっている。
明斗くん……?
「姫乃は壱斗お兄ちゃんがすきになったおんなだからな。壱斗お兄ちゃんのえらんだおんなはいいおんなにきまってる。だから、みとめてやるよ。あそうけのよめとして!」
真っ赤な顔をして、半ば叫ぶようにして言い切った明斗くん。
明斗くん……私、すごく嬉しいよ……
「う……うぇぇ……」
「あ゛ー!なくなぁ!」
明斗くんのせいだもん。
あんな真っ赤な顔で、そんな嬉しいこと言ってくれちゃってさ。
「壱斗お兄ちゃん……あぁみえてよわいとこあるからさ、姫乃、壱斗お兄ちゃんをささえてあげてな?」
急に真面目になった明斗くんは小声でそう呟いた。
「弱いとこ……?ねぇ、明斗くん。やっぱり、壱斗の過去にはなにかあるの?」
明斗くんは少し悲しそうな顔をして
小さく頷いた。
「おれのくちからはいえないけど。……けっこう、きずはふかいかもしれない」
明斗くんの暗い声が
いつまでも耳に響いて止まらなかった。
*