Sweet*Princess



「あ、明斗くん…これすっごく重いんだけど」


「ぷぷぷ。姫乃、まえみえてねーだろ」



だ、誰のせいだと思ってんのよ……!!




ぬいぐるみが好きな陽菜ちゃんのために


明斗くんが選んだのは、私の体の半分ほどもある熊のぬいぐるみ。


それのお金は、明斗くんが現金で出した。



唖然とする私を置いて、明斗くんはお店を出て行く。




「え、明斗くん、これ……!」


「姫乃がもって」




え………




えぇぇぇぇ?!?!


















そして。今に至るわけなんですが……



「あ、明斗くん……死ぬ………」


腕は痛いし、息はできないし……


「はぁ?姫乃はよわいなぁ…」



そう言って


私の腕からぬいぐるみを軽く持ち上げた。



意外と……力あるんだね。






「姫乃。」


「んー?なぁに?」




「咲華って誰?」


「ッ、……知らない」



覚えてたんだ、朝のこと。




「壱斗がね、夜中に何か紙持って“咲華さん…”って。すっごく辛そうな顔で」


「ふーん………だから、そんななきそうな顔してんの?ふあんで?」



……え…………



*
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